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55期名人戦第6局

名人戦での急戦棒銀は過去にあまり前例がない。
矢倉囲いを急ぐ▲6七金右が羽生の封じ手だった。
谷川は▽9五銀から一直線の攻めを選び、戦闘が開始された。
谷川の攻め筋に、控室は騒然となった。
銀をただ捨て、▽8八歩と桂頭を叩いたのが、斬新な攻め筋!
直後の▽3五歩が羽生の▲4六銀(打)を見落とした疑問手となり、
形勢は大きく羽生に傾いた。
二枚の銀が谷川陣を圧迫し、有効な攻め筋をようとして与えない。
このあたり、「負けを覚悟した」と谷川は語っている。
土俵際で踏ん張り、▽3九角から攻め合いに活路を見いだす。
難解な終盤戦、羽生のリードは徐々に消えていった。